出版社内容情報
中ソ論争、ソ連のチェコ侵攻事件等、戦後の重大事件に際し、文学者たちは何を語り、いかに行動したか。往復書簡全82通を読む。作家・中野重治と堀田善衞が、冷戦下の1953年から中野が亡くなる1979年までに断続的に交わした全書簡82通。
これらの書簡からは、民族独立運動を背景にしたアジア・アフリカ作家運動、中ソ論争からソ連等のチェコスロヴァキア侵攻事件、中野の日本共産党からの除名問題、キューバの新たな模索、ヴェトナム戦争等々、国内外の政治・社会が激動する時代において、これに向き合い、それを考えるなかから作品を発表し、発言し行動を起こしてきた文学者たちの肉声が聞こえてくる。
本書は往復書簡のほか、中野重治と堀田善衞の往復書簡をめぐる、鎌田慧、海老坂武、栗原幸夫各氏による書き下ろし論考と、中野・堀田と同時代を生きた文学者、竹内好、加藤周一、鶴見俊輔による中野論・堀田論を再掲。また、中野重治による堀田論、堀田善衞による中野論を収録し、巻末に関連年譜を付した。
戦後、国内外で政治と民主主義が大きく揺れ動くなか、あるべき文学と生き方を模索し格闘した文学者たちの証言。
第?部 本文編
(1)中野重治・堀田善衞 往復書簡
(2)資 料
「堀田善衞小論」……中野重治
「墓からの声――中野重治追悼」……堀田善衞
第?部 解説編
「中野重治と堀田善衞――戦後史のなかで」……竹内栄美子
「中野重治・堀田善衞交流小史」……丸山珪一
「思想家としての中野重治」……竹内 好
「『路上の人』及び堀田善衞」…… 加藤周一
「中野重治――自分の中の古い自分」……鶴見俊輔
「同志的対話」…… 鎌田 慧
「往復書簡集を読んで――私感」……海老坂武
「中野重治と堀田善衞の「戦後」」……栗原幸夫
*
中野重治・堀田善衞関係略年譜
編者あとがき
竹内 栄美子[タケウ チエミコ]
編集
丸山 珪一[マルヤマ ケイイチ]
編集
竹内 好[タケウチ ヨシミ]
解説
加藤 周一[カトウ シュウイチ]
解説
鶴見 俊輔[ツルミ シュンスケ]
解説
鎌田 慧[カマタ サトシ]
解説
海老坂 武[エビサカ タケシ]
解説
栗原 幸夫[クリハラ ユキオ]
解説
中野 重治[ナカノ シゲハル]
著・文・その他
堀田 善衞[ホッタ ヨシエ]
著・文・その他
内容説明
アジア・アフリカ作家会議、中ソ論争、ソ連のチェコスロバキア侵攻事件等、戦後の重大事件に際し、相互に信頼しあっていた文学者たちは何を話し、どう行動したか。未発表書簡61通を含めた往復書簡82通を読む。
目次
第1部 本文編(中野重治・堀田善衞往復書簡;資料(堀田善衞小論;墓からの声―中野重治追悼))
第2部 解説編(中野重治と堀田善衞―戦後史のなかで;中野重治・堀田善衞交流小史;思想家としての中野重治;『路上の人』及び堀田善衞;中野重治―自分の中の古い自分 ほか)
著者等紹介
竹内栄美子[タケウチエミコ]
1960年大分県生まれ。明治大学文学部教授。専門は日本近代文学
丸山珪一[マルヤマケイイチ]
1941年大阪府生まれ。金沢大学名誉教授。中野重治を語る会代表世話人。堀田善衞の会代表。主にルカーチ・ジェルジ、中野重治、堀田善衞の名と結びついた分野での研究と取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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