内容説明
ヘルボックス(Hell‐box)=印刷術を考え出した人びとはサタンに魂を売ったと疑われたが、こうした考えはその後も見受けられ、印刷所の小僧はプリンターズ・デビルであり、こぼれた活字や不用となった活字を入れる箱(滅箱)は“地獄箱”とよばれた。箱に捨てられた活字は滅地金として三〇〇度の焦熱地獄、鋳造機の釜へ入れられて再利用される。印刷・製作の現場からみた戦後出版文化史。
目次
本をつくる人
本は高いのか
誤植のない本
奥付雑考
装訂について
編集部組版
面付け、文選ケース
活版印刷衰亡記
出版者 山本七平
『活字礼讚』を読む
JIS漢字の整合性
卑下する印刷屋
教訓「本はよく見て買え」
私家版と自費出版
JIS漢字の見直し
ルビを振る
活版活字印刷への拘り
出版文化の戦後史―印刷・製作の現場から考察する
印刷における日本語表記―漢字かなまじり文について