内容説明
かつての宗主国・日本の地で、旧植民地人である朝鮮人が生きるとはどういうことか―在日一世の父の死に臨み、その苦難の半生に思いを重ねつつ自己の存在をみつめた「労働者文学賞」受賞の表題作のほか、日本社会に根を張り続ける民族差別の実態をリアルな生活実感から問う論考、エッセイ、書評を収録する。
目次
1 記憶の火葬(記憶の火葬;智慧の墓標 ほか)
2 在日を生きる―いまは、かつての“戦前”の地で(新井将敬代議士の孤独な自死―他者の価値観と方法の受容と裏切り;在日朝鮮人二世の親が日本で子どもを学校に通わせるということ ほか)
3 壊れた世界の片隅で(「これが人間か」と「コレガ人間ナノデス」―他者(人間)を他者とするために
「人間的な植民地主義」などない ほか)
4 書評―知恵と希望を探して(李泳禧『朝鮮半島の新ミレニアム』;玄基栄『順伊おばさん』 ほか)
著者等紹介
黄英治[ファンヨンチ]
1957年、岐阜県生まれ。1981年、大阪経済大学経済学部(二部)卒業。大学在学中から在日韓国青年同盟(韓青)に参加。2004年、小説「記憶の火葬」で「労働者文学賞2004受賞」。現在、在日韓国民主統一連合(韓統連)宣伝局長、労働者文学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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