内容説明
憲法第九条が改廃の危機に直面しているいま、その成立過程を歴史的に検証し、決して「勝者による押し付け憲法」ではないことを論証。改憲派や「自由主義史観」一派の欺瞞性を暴き、半世紀を経てなお維持される第九条こそ21世紀へ向けて人類が守るべき普遍的理念であることを明らかにする。
目次
ウェストファリア平和条約から三五〇年
日本国憲法第九条とは何か?
第九条はどこから来たか?
アメリカの平和運動、パリ不戦条約と憲法第九条
日本近代史の中の憲法第九条(民権と国権の相剋;小国日本か、大日本帝国か)
侵略・戦争と反戦・抵抗
冷戦・反共主義と憲法第九条の空洞化
明文改憲の失敗から解釈改憲へ
改憲第二波―日本企業の世界化と「国際貢献」論
岐路に立つ憲法第九条
著者等紹介
伊藤成彦[イトウナリヒコ]
1931年石川県金沢市に生まれる。東京大学文学部ドイツ文学科卒業、同大学院で国際関係論、社会運動・思想史専攻。現在、中央大学教授。文芸評論家。ローザ・ルクセンブルク国際協会代表
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