天明蝦夷探検始末記―田沼意次と悲運の探検家たち

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  • サイズ A5判/ページ数 381p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784877142827
  • NDC分類 211
  • Cコード C0021

内容説明

浅間山の大噴火や東北大飢饉など世紀末的な様相を呈した江戸時代の天明期、かつて誰もなし得なかった蝦夷地探検が秘密裡に決行された。本書は、みちのくの山村の地下に潜った『蝦夷拾遺』を読み解き、探検の全体情況を細密画のように描き切った画期的な労作である。田沼意次の北方政策を浮かび上がらせ、松平定信による歴史歪曲と粛清政治を徹底批判、そして青島俊蔵ら断罪された蝦夷地探検者たちの名誉回復をめざす。

目次

第1章 事のはじまり
第2章 計画と準備
第3章 天明五年の探検と蝦夷地開発策の起案
第4章 天明六年の探検
第5章 蝦夷地一件の差し止めとその結末
第6章 寛政のクナシリ騒動と青島俊蔵の最期
第7章 余録

著者等紹介

照井壮助[テルイソウスケ]
1905年7月岩手県花巻市に生まれる。1925年3月岩手県師範学校本科一部卒業。1936,37年文部省中教検定国語漢文合格。1946年7月「満州」より引揚げ。1965年3月岩手県立福岡高校校長退職。1972年4月一関修紅短期大学学長。1974年2月本稿脱稿後没。同年9月八重岳書房より『天明蝦夷探検始末記』刊行
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感想・レビュー

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hakodadi

3
衝撃的な書だ。 天明6年徳川幕府(老中田沼意次)の指示で実施された初の本格的な蝦夷探検。西蝦夷班がカラフト上陸、東蝦夷班は国後・択捉まで足を伸ばした、地理、自然環境から近在のアイヌの事情まで調べ上げた。その中には当時の松前藩とその御用商人によるアイヌへの苛斂誅求の報告も含まれており、さらには北方からのロシアの脅威にも触れている。先駆的な業績だ。 ところが、2年にわたる過酷な探検行から江戸に戻った一行を待ち受けていたのは、田沼の失脚、蝦夷探検の取りやめ。しかも探検隊の主だった者たちには逮捕・入牢。 2011/04/07

Eightman

1
江戸時代中〜後期に、老中田沼意次の命を受け、当時未開であった蝦夷を探検した話と、その後の政治的結末の話である。満足な装備無しに越冬し、命を落とす者が出ても探検を続け等英雄的な活躍をしたが、田沼意次失脚後の政敵松平定信の内向き思考により罪人として処罰され、牢で命を落とす者も居た。 探検の鬼気迫る記述もさることながら、歴史学者でもない筆者が、持病を推して難しい古文書を解読し、遠く岩手の地から東京まで文献調査に何回も赴き脱稿した直後に倒れ、ご子息が本書出版にこぎ着けたというものも心を打つ。2015/03/07

偽教授

0
非常によく調べてある。このテーマについては第一級の史料であろう。労作。2024/04/29

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