内容説明
主要な登場人物は三人。ミステリアスな魅力をもつ女性と、これまたミステリアスな雰囲気の画廊経営者。そして主人公は若手の宝飾実業家だが、婚約者がいるにもかかわらず、そのミステリアスな女性の深い魅力に翻弄されて、不思議な体験を重ね、自分の内面に独自の女性理想像を特殊な方法で形成していく…という、非常に現代的なテーマの作品。セクシャリティのメンタルな側面、ビジネスの第一線で激務とストレスにさらされる人間のジェンダーの脆弱さを、ビジュアルに文章化した作品となっている。結末は、フランス流で、後味はフランソワ・トリュフォー監督の映画。作品としては完結したが、三人の登場人物は、生き方として葛藤を引きずっており、完結していない。そんな余韻がエピローグとなっている。その余韻が、次なる作品の前奏曲となることを期待させ、非常に文学的な側面を持っているデビュー作。
著者等紹介
麻生圭[アソウケイ]
東京生まれ。都内の高校卒業後、渡英。英国の大学を卒業後帰国。外資コンサルティング会社に入社。税務コンサルティング及び不良債権の査定等のコンサルティング業務に従事。外資投資ファンドに転職。投資業務に携わる傍ら、執筆活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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