内容説明
雪踏(雪駄)の起源に千利休は関係していたのか、大坂商人と対等に渡り合う「かわた」村の雪踏商人、平人から「かわた」村にやってきた雪踏職人…。身分制社会のなかにあって、「身分を越える」ことを可能にしたのが「雪踏」という履き物の存在だった。江戸時代の「風俗」と「人間」を、雪踏をつくり・売り・履き、直した人たちを通してえがく。
目次
序章 雪駄・雪踏とは
第1章 千利休―雪踏の起源をめぐって
第2章 加島屋利兵衛忰虎吉―身分を越える雪踏職人
第3章 河内屋藤兵衛と小間物屋五兵衛―「かわた」村の雪踏商人
第4章 大坂の竹皮屋・近江屋善助―嘉永三年「竹皮一件」と雪踏表づくり
第5章 長五郎と清七―町と村の雪踏直し