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内容説明
イスラームの神秘主義(スーフィズム)は、イスラームの智慧の本質を開示する。なかでも、独自の発展を遂げたペルシアの神秘詩においてたくみに表現されている。この真実にいくらかでも肉薄することがなければ、イスラームの根本思想は理解できない。本書では、イラン(ペルシア)を中心にイスラーム世界の人びとに愛される神秘詩人ハーフェズの詩を取り上げ、詩の裏に隠された宗教的メタファーを読み取り、平明な解説を加える。
目次
第1章 現代という時代
第2章 イスラーム神秘主義(スーフィズム)の歴史と教義
第3章 スーフィズムの教義と用語
第4章 ハーフェズの生涯とその時代
第5章 人生の意味―私はなぜ生まれて、どこにいたのか
第6章 酒と恋と―遊興か求道か
第7章 神智と理性―信頼できない分別知
第8章 神智にたどり着くのは誰か
第9章 神秘主義と現代社会
著者等紹介
嶋本隆光[シマモトタカミツ]
1951年生まれ。大阪外国語大学ペルシア語学科卒業。UCLA歴史学科大学院修了。現在、大阪大学教授。専攻はイスラーム現代思想で、イスラームのシーア派に関する日本でも有数の研究者である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
25
人間は実現はともかく、理想的で絶対的な何かに憧憬を抱き、体得したいと考えている(ⅵ頁)。分析知:目前の対象を観察、データ分析し、結果から法則を引き出す、科学的知(7頁)。直観知:神秘主義。一瞬で真理が全体として人間に獲得される可能性(14頁)。人間にとって究極の問題は、人間存在の意味を知ること(105頁)。人生の三大疑問:どこから、なぜ、どこへ(106頁)。母他界で成仏できたろうかと思う。酒杯:惨めな人間の状態。2015/06/04
Go Extreme
1
イスラームの神秘主義 スーフィズム ハーフェズの智慧 蛾と炎(自己消滅の比喩) 神智(イルファン) 慣性・即知の働き 西洋的知の限界 直観的な認識 存在との直接的な交渉 神の唯一性(タウヒード) 合一(ワフダ) 消滅(ファナー) 存続(バカー) 自己を知ることは神を知ること 旋回舞踊(セマー) ネイ(葦笛) 酒・恋人・酒場(隠喩) ワクト(時) 偽善への批判 信仰と知性の相克 否定神学 根源的な統一性 普遍的自己 祈りの本質 詩による占い(ファール)2025/04/22