内容説明
タイヤの原料として現代の交通化社会を支えるゴム。天然ゴムを産み出すヘベア樹(パラゴムノキ)は現在主に東南アジアと南アジアで栽培されているが、その原産地はアマゾンである。ゴムの樹はどのようにしてアマゾンを脱出し、世界中に広まったのか?また、それは人類の社会に何をもたらし、どこへ導くのか?ヘベア樹の移植と交通化の立役者である4人の男たちの生き様を軸に、天然ゴムのダイナミックな歴史を生き生きと語る。
目次
序章 天然ゴム前史
第1章 キナノキのプラント・イントロダクション―ヘベア樹に先行したマーカムの試み
第2章 若きウイッカムとゴムとの出会い―ニカラグア、オリノコ、そしてアマゾンへ
第3章 ヘベア樹プラント・イントロダクションの始動―ウイッカムとキュー植物園・インド省の綱引き
第4章 ヘベア樹のオデッセイ―アマゾンからキュー植物園、そして南アジア・東南アジアへ
第5章 ウイッカム、失敗に魅入られたプランター
第6章 ゴム・プランテーションの確立とリドレイ
第7章 ブラジルへ里帰りしたヘベア樹―フォードとフォードランディア
第8章 天然ゴムに魅せられた人々―この奇妙な植物資源の科学
第9章 21世紀における「交通化社会」と人類
終章 天然ゴムの未来
著者等紹介
こうじや信三[コウジヤシンゾウ]
1942年大阪に生れる。1965年京都大学工学部(高分子化学科)卒業。1969年京都大学大学院工学研究科博士課程(高分子化学専攻)中退、京都工芸繊維大学工芸学部(工業化学科)助手、(同助教授を経て)1991年同(物質工学科)教授。1993年京都大学化学研究所へ転任。2006年京都大学名誉教授。同年から2009年までマプア(Mapua)工科大学(フィリピン、マニラ)、マヒドン(Mahidol)大学理学部(タイ、サラヤ)客員教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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