内容説明
戦前は日本の植民地、戦後は分裂による国家観の対立…こうした不幸な時代を脱して、古代朝鮮を検証する作業はようやく新たな全体像を獲得しつつある。本書は、墳墓の変遷過程を分析することにより、新石器時代から7世紀の新羅統一までを6段階に区分し、階層差の発生、首長墓や王墓の出現過程と地域間関係の変化をたどり、古代朝鮮の国家形成を描く。
目次
第1章 朝鮮半島の地理的環境と墳墓分析の視角
第2章 新石器時代~初期鉄器時代の墳墓
第3章 原三国時代の墳墓
第4章 王墓の登場
第5章 墳墓からみた四・五世紀の地域間関係
第6章 横穴系埋葬施設の展開と地域間関係の変化
第7章 朝鮮半島における墳墓の変遷と国家形成過程
著者等紹介
吉井秀夫[ヨシイヒデオ]
京都大学大学院文学研究科准教授。専門は朝鮮考古学。1964年、兵庫県神戸市で生まれ、加古川市で育つ。1988年に京都大学文学部史学科考古学専攻を卒業し、1993年に同大学大学院博士後期課程を中途退学。京都大学文学部助手、立命館大学文学部専任講師・助教授をへて、2000年より京都大学大学院文学研究科に移り、2007年より現職。大学在学中より、百済を中心とする朝鮮半島の墳墓の地域性とその変遷について調査研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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