内容説明
地震予知や免震工学は劇的に進歩した。しかしそれだけで災害は防げるだろうか?耐震補強を受けられない貧困層、いたずらな投資による防災を無視した再開発…東海・東南海地震に備えるには、科学技術を生かせない現代日本の在り方から問う必要がある。『スロー地震』研究で地震学をリードする著者が、格差社会を防災科学から照射する。
目次
第1章 意外な場所を大地震が直撃する
第2章 海溝型地震の危険因子が社会の脆弱性に出会う場所
第3章 内陸型地震リスクを実感する
第4章 断層直上の地震動と第四紀軟弱堆積層による長周期地震動
第5章 沖積平野の大都市の脆弱性
第6章 地震リスクの先送り―超高層ビルの乱立
第7章 超高層ビル社会への提案
第8章 災害脆弱性としての格差社会
第9章 次の東南海・南海地震に備える社会を作るために
附章 学問と社会―京都大学らしさとは?
著者等紹介
川崎一朗[カワサキイチロウ]
京都大学防災研究所教授。理学博士。専門は地震学・測地学。1946年大阪市生まれ。1970年東京大学理学部地球物理学科卒業。1976年同大学院博士課程修了。1978年富山大学理学部助教授、教授を経て、2002年2月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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