内容説明
人間の文化は、住んでいる土地の自然や社会環境の影響を受けて大きく多様化した。チンパンジーの社会や行動も地域により様々である。なかでもボッソウは例外だらけ。雌だけでなく雄も群れから移出するし、道具の使い方も独自性に満ちている。かれらの「文化的」多様性は人間の文化と同根だろうか。自ら新たに切り開いたフィールドにおける30余年の研究を振り返り、今後の課題を展望する。
目次
第1章 ボッソウへ
第2章 ボッソウのチンパンジー
第3章 チンパンジーの生涯―ボッソウの場合
第4章 社会の仕組みとつき合い行動
第5章 環境と生活様式
第6章 道具使用
第7章 文化の誕生と知能の発達
第8章 野生動物との共存
著者等紹介
杉山幸丸[スギヤマユキマル]
京都大学名誉教授、ギニア共和国高等教育科学研究省招聘教授。理学博士。1935年5月旧満州国新京(現長春)生まれ。1958年東京教育大学理学部卒業。1963年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。京都大学理学部助手、霊長類研究所助教授、教授、所長を経て1999年退官。2000年東海学園大学人文学部教授、学部長。2006年退職。1997‐2001年日本霊長類学会会長。1995‐1999年日本生態学会中部地区会長。専門は、人類学・生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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