内容説明
世界の古代文明のなかで、ギリシア文明ほど現代社会に大きな影響を与えているものはない。しかし、その古代ギリシア文明が、地中海をとりまく他文明とのさまざまな交渉を通じて形成されたことは、あまり知られていないのではないだろうか。本書では、ミケーネ時代からヘレニズム時代にいたる重要なトピックを掘り下げながら、地中海を舞台とする古代ギリシア文明の雄大な歴史を鮮やかに描き出す。
目次
第1章 古代ギリシア文明へのアプローチ
第2章 ギリシア文明の起源―ミケーネ文明
第3章 岐路としての初期鉄器時代
第4章 空間の拡大
第5章 メディアとコミュニケーション
第6章 共同体の構造
第7章 領域の世界
第8章 宗教と政治
第9章 ジェンダーとセクシュアリティ
第10章 ヘレニズム文明への変貌
著者等紹介
周藤芳幸[ストウヨシユキ]
名古屋大学大学院文学研究科教授。専門はギリシア考古学、東地中海文化交流史。1962年生まれ。神奈川県横須賀市出身。1984年東京大学文学部考古学専修課程卒業。1986年東京大学大学院人文科学研究科考古学専攻修士課程修了。1987年から1991年までギリシア政府給費留学生。1992年に東京大学大学院人文科学研究科考古学専攻博士課程を単位取得退学、日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、1993年名古屋大学文学部助教授(西洋史学講座)に就任。2005年から現職。博士(文学)。エーゲ海先史文化の考古学的研究を出発点として、現在はフィールドからの発想によって古代ギリシア史の諸問題の解明に取り組む。1997年からはアコリス考古学プロジェクトのメンバーとして、中エジプトのアコリス遺跡から出土するギリシア系の遺物やギリシア語碑文などの調査を担当している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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