内容説明
天命とは、天神が特定の支配者を選び、天下を委ねることを言うだけでなく、天命は分割され、全ての者が命を分け持つとされていた。中国初期王朝時期に属する西周王朝の、こうした特徴ある体制理念を、同時代資料である青銅器の銘文を用いて解き明かす。当時の統治を支えていた、命、徳、孝などの観念は、変形してはいるが、現在にも生きている。
目次
序章 青銅器を通して見えるもの
第1章 禹の九鼎
第2章 大地の精霊
第3章 祖霊と青銅器
第4章 冊命儀礼
第5章 天命の実態と機能
第6章 徳の継承
第7章 天命のゆくえ
著者等紹介
小南一郎[コミナミイチロウ]
京都大学名誉教授。フランス極東学院京都研究所研究顧問。龍谷大学非常勤講師。専門は、中国の古代・伝承文化研究。1942年、京都北白川に生まれる。1964年、京都大学文学部卒業。1969年、京都大学文学研究科博士課程単位取得退学。文学博士。京都大学人文科学研究所助手、京都大学文学部助教授、京都大学人文科学研究所教授を経て、2005年に、京都大学より定年退職。研究領域は、漢字の起源、儀礼制度、中国古代宗教史から、神話、小説史、民間伝承などにおよぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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