内容説明
国家、民族そしてそれらの境界は、自然地理的な基盤に規定されつつも、畢竟、人の移動によって形成されると言って良い。人口統計に基づく詳密な事例研究によって、島嶼部東南アジアの特徴―「多民族性」―が、植民と近代化の中で急速に形成される様相を明らかにする。名著『小人口世界の人口誌』を発展させた、人口誌の集大成。
目次
第1部 マレー半島の開発と移民(海峡植民地と移民;錫とゴム)
第2部 開発先進地域と多民族化(マラヤ諸州の多民族社会形成1 スランゴールとペラ;マラヤ諸州の多民族社会形成2 パハンとジョホール ほか)
第3部 マレー人が多数を占めた地域の変化―クランタンとケダ(クランタンにおける多民族化;クランタンにおける開発と疾病 ほか)
第4部 開発と多民族化過程(トレンガヌに関するメモ―未開発をめぐって)
著者等紹介
坪内良博[ツボウチヨシヒロ]
甲南女子大学学長。1938年京都府に生まれる。京都大学文学部卒業、京都大学東南アジア研究センター助手、助教授を経て、1982年教授、1993年より同センター所長、1998年、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科へ移籍、同研究科長を経て定年退職、甲南女子大学文学部教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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