内容説明
ビオトープとは、「もともとの生態系が保たれた空間」のこと。しかし、これまでの緑地計画には、その土地にずっと棲んできた生き物への配慮が不足していた。外来種や環境変化に強い種、他の生き物との競争に強い種をいたずらに移入することで、「都市の緑」は、かえって、身近な環境を劣化させ、生物多様性の危機を招いたともいえる。都市緑地をユニークな生態系ととらえ、そこでの生き物の振る舞いを明らかにすることで、「真のビオトープ」づくりの方法を示す。
目次
第1章 都市の野生とハビタット(都市によみがえる野生;都市の景観生態学 ほか)
第2章 野生生物と都市―孤立林(孤立林の樹木とシダ植物;都市に残る野生―糺の森 ほか)
第3章 野生生物と都市―水辺(都市河川と水鳥;沿岸域の湿地再生と保全―大阪南港野鳥園の事例 ほか)
第4章 共生の管理と計画(万国博記念公園の森―郷土の森の再生;万国博記念公園の森―人工ギャップによる再生 ほか)