内容説明
議会史上不朽の名に輝くバロンの反乱と13世紀英国国制史に関する精密な研究は、必ずしも多くない。欧米においてさえ、既存研究は公刊年代記に基づく政治史の叙述であった。著者自身が原史料を解読分析することによって、反乱を通じ、国王権が封建領主の最高封主の立場から、国家の公権力執行者の立場へと変わった過程を鮮やかに描き出す。
目次
第1部 事件の経過と論点の整理(事件の経過;改革計画の主要論点;封建的主従関係のトラブルをめぐる論点 ほか)
第2部 一二六〇年代ケムブリッジシァの権力構造(一二六八年の特別巡回裁判とケムブリッジシァの反乱者たち;一二六〇年代ケムブリッジシァの陪審員たち;アーミングフォード・ハンドレッドの陪審員たちとグロスタ伯のリート裁判権 ほか)
第3部 一三世紀イングランドの王国共同体(一二一五~一二五八年の王権、諸侯特権そして王国共同体;国王の対特権政策と諸侯の共同体;一二五八‐六〇年イングランドの王国共同体 ほか)
著者等紹介
朝治啓三[アサジケイゾウ]
関西大学文学部教授。1948年大阪生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。神戸女学院大学専任講師、教授を経て、1996年より現職。1987‐89年、英国ケムブリッジ大学クレア・ホールにてフェロー、その後ライフメンバー。環太平洋中世学会、パイプ・ロル・ソサエティ会員
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