目次
世界史の時代と研究の展望
第1部 モンゴル帝国の原像と変容(モンゴル帝国の原像―チンギス・カン王国の出現;モンゴル帝国の変容―クビライの奪権と大元ウルスの成立)
第2部 大元ウルスの首都と諸王領(クビライと大都―モンゴル型「首都圏」と世界帝都;大都と上都の間―居庸南北口をめぐる小事件より ほか)
第3部 大元ウルスと中央アジア(ふたつのチャガタイ家―チュベイ王家の興亡 ほか)
第4部 モンゴル時代をめぐる文献学研究への道―命令文・碑刻・系譜・刊本・写本(モンゴル命令文研究導論―真定路元氏県開化寺聖旨碑の呈示をかねて;草堂寺闊端太子令旨碑の訳注 ほか)
著者等紹介
杉山正明[スギヤママサアキ]
京都大学大学院文学研究科教授。1952年静岡県生まれ。1979年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、京都大学人文科学研究所助手。1992年京都女子大学文学部講師を経て同助教授。1996年京都大学文学部助教授・同教授を経て現職
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感想・レビュー
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崩紫サロメ
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モンゴル帝国に関する文献資料はペルシア語を中心とする「西方文献」と漢語を中心とする「東方文献」の棲み分けができてしまっており、これを接合していくことの必要性を説き続け、実践してきた著者の論文集。といっても執筆時期は20年以上の幅があり、問題関心の推移や利用可能な史料の変遷自体に、モンゴル帝国史の変化を感じることができる。本書刊行の頃はモンゴル史でもローマ史でも碑文史料の重要性をよく聞かされたが、第9章の「モンゴル命令文研究導論」などは碑文の読み方として、モンゴル史以外の者でも興味深く読むことができる。2020/12/10