内容説明
王や将軍、ローマ皇帝から未詳のスパルタ女性まで、有名無名、男女を問わず、古人らの発言を蒐集した珠玉の名言集。
目次
王と将軍たちの名言集
ローマ人たちの名言集
スパルタ人たちの名言集
スパルタ人たちの古代の慣習
スパルタ女性たちの名言集
女性たちの勇敢
著者等紹介
松本仁助[マツモトニスケ]
大阪大学名誉教授。1927年大阪市生まれ。1951年京都大学文学部卒業。同志社大学教授、大阪大学教授、大阪学院大学教授を経て、2002年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いとう・しんご singoito2
7
民主的で軽薄なアテネと全体主義的で質実剛健なスパルタというのがどの程度、歴史と合致したイメージかは分らないけれど、プルタルコスの中にはイメージが確立していたようで、かつ、プルタルコス自身はスパルタに心惹かれているようにも思われる。でも、ボク自身は個人の自由の価値を主張する一方、国のために個人を犠牲にするスパルタ人の考え方には、ちょっとついて行けないのでした。2024/03/20
roughfractus02
7
本巻冒頭の教育の巻では素質、理、習慣の3者の調整がその目標とされ、前巻では素質(=自然φύσις)に則った養生法、続く本書では習慣(ἔθος)に関する言葉が収録される。ローマの勢力を拡大するトラヤヌス帝に献じた「王と将軍たちの名言集」を始め、戦場での徳を窺わせる言葉が集められる。戦地の息子に「名誉か、死か」の択一を迫る母たちの言葉と、日常でも戦地での抜け目ない知恵を競う男たちの言葉を抜粋しスパルタ的徳を称賛する著者を通すと、戦争を日常とする習慣のあり方から読者自身の習慣のあり方が照らし出されるかのようだ。2019/06/17
荏苒 byn
0
王と将軍たち/ローマ人/スパルタ人たちの名言集などからなる。 史実に関連する発言等もあるが、個人的で短文でシチュエーションや意味の分からないのも混じる。スパルタ人の勇猛が際立つ、現代にも適当な普遍的なものは余り無い。 最終章の「スパルタ女性の名言集」だけはやや長文の読み物。 アレキサンダー大王:「僕がたくさん所有しても、何も成し遂げられなければ何の価値もないのだ」。神だと自称した、天狗になった人。 スパルタ人:幸福を呼ぶには手を動かせ。 モンテーニュが引用したのも少し有り。2016/12/15