内容説明
至高の美や容姿へのこだわり…こころは美を病み、美に癒される。「表面」をまなざす深層心理学は可能か。心理療法の立場から探る。
目次
心理療法における美の問題
第1部 美と心理療法(「偽の美」考;醜から目を背ける;ともに眺めること;玩具の存在論)
第2部 美のパーソナリティー(美的身体と他者;皮膚的な自己;唯美家と自己愛、死と表面)
第3部 美の認識論(美と深層心理学;表面をめぐる力動―葛藤の美的解決について)
美の問題系
著者等紹介
東畑開人[トウハタカイト]
1983年カナダ生まれ。博士(教育学)(京都大学、2010年)。臨床心理士。2005年京都大学教育学部卒業、2010年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。現在、精神科診療所なかまクリニック心理士、沖縄国際大学非常勤講師。研究分野は力動的心理療法学・臨床心理学・医療人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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井の中の蛙
7
東畑さんのおそらく最初の本。先生の博士論文が基になっているだけあって、文体は格式張っていた。第Ⅱ部・美のパーソナリティーが面白かった。2024/08/09
ひろゆき
2
心理療法などについてほぼ無知なので、どうかなと思いましたが、通読でも意外に分かりやすく、助かった。三島由紀夫を素材に、人から見られる表面にこそ存在を実感する人々の説明が特に分かりやすく、面白い。過度なファッションへの浪費、整形などに走るこころの有り様。こころは分析で表面を取り払って現れるものではないなどの方法論。2013/11/22
Go Extreme
1
美を心理療法の視座から探求 二人の無意識を反映 心理療法における美の困難 主題の内容に焦点 美の禁止 偽の美 転移を見失った表現 心的構造の差異 他者のまなざしで形作られる身体 人生を見物人として鑑賞 自己愛と唯美家の同質性 空想される関係の反映 未知なるものの表現 表層は探究外 形式への焦点 語ることなきクライエント 露わになった性 美的変形 表面を巡る力動 美と深層心理学の拒絶関係2025/05/01
たろーたん
1
心理学の説明よりも美学の概説が個人的に面白かった。「美とは何か」という問いの「何」の部分にイデア・神・主観・意識・こころが当てはめられ、その正体・メカニズムを明らかにしようとするのが美学の問いである。近代の美学はバウムガルデンが代表するように「感性学」とされ、人間の感性が中心となるが、それはデカルトから出発した近代の産物である。それ以前は、超越者的(イデア・神など)な視点から「美」とは何かを考えていた。2021/03/10




