内容説明
五賢帝後、相次ぐ内乱に「ローマの平和」が崩れゆく頃、次々登場した異色の皇帝たち十一人の生涯。本邦初訳。
目次
コンモドゥス・アントニヌスの生涯
ヘルウィウス・ペルティナクスの生涯
ディディウス・ユリアヌスの生涯
セウェルスの生涯
ペスケンニウス・ニゲルの生涯
クロディウス・アルビヌスの生涯
アントニヌス・カラカルスの生涯
アントニヌス・ゲタの生涯
オピリウス・マクリヌスの生涯
ディアドゥメヌス・アントニヌスの生涯
アントニヌス・ヘリオガバルスの生涯
著者等紹介
桑山由文[クワヤマタダフミ]
京都女子大学文学部助教授。1970年京都府生まれ。1999年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(文学)。2006年兵庫教育大学助手、講師、助教授を経て現職
井上文則[イノウエフミノリ]
筑波大学大学院人文社会科学研究科講師。1973年京都府生まれ。2001年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(文学)。2005年日本学術振興会特別研究員を経て現職
南川高志[ミナミカワタカシ]
京都大学大学院文学研究科教授。1955年三重県生まれ。1984年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。1996年京都大学助手、大阪外国語大学助教授、京都大学文学部助教授、教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
もしコモンドゥスやヘリオガバルスの奇行がなかったら・・・そんな反実仮想的トーンが言葉の端々に響くような本巻だが、それほど2人の放埒さが際立つのは、彼らの日常が「臆面もなく」という言葉のヴェールを振り払うように克明に記されているからだろう。その執拗さはさらに、4世紀に残る2世紀のローマの衣食住や流行等の生活習慣を記し、皇帝が短期間で交代する度に(主伝)、皇帝候補が現れては消えるその繰り返しから(補伝)当時の政治システムをも垣間見せる。すると、この振幅の激しい試行錯誤がローマ帝国を存続させたように思えてくる。2022/07/02
刳森伸一
5
第1巻は大人しく標準的な伝記のような装いだったが、どうやら本巻から本領が発揮されたようで、かなりゴシップ的なエピソードが多くなる。特にヘリオガルバスの巻は悪趣味極まる。そして、そんなヘリオガルバスの巻が一番面白い。2016/02/08
白神 健吾
2
こちらもゼミ発表の為に読んだものでありコンモドゥス伝しか読んでいないので近いうち再読する予定。2015/05/19
Doederleinia berycoides
2
アントニヌスの名が堕ちていく過程がよく分かった。ヘリオガバルスの章がある意味凄かった。2010/09/03
Βουλγαροκτόνος
0
「五皇帝の年 (193年)」を中心にした本書。悪帝エラガバルスをコンスタンティヌス帝に重ね合わせて暗に批判している、という解釈には膝を打った。愚帝ではないがセウェルス、カラカラもなかなかの残酷さ。2023/03/31




