内容説明
隆慶一郎の作家生活はわずか六年たらずであった。そのわずか六年の間に隆慶一郎は二十数冊の著書を遺して、他界してしまった。隆慶一郎は『吉原御免状』『鬼麿斬人剣』『かくれさと苦界行』『柳生非情剣』『一夢庵風流記』『影武者徳川家康』『時代小説の愉しみ』『拾て童子・松平忠輝』『花と火の帝』『死ぬことと見つけたり』『風の呪殺陣』『駆込寺蔭始末』『柳生刺客状』『かぶいて候』『見知らぬ海へ』などの著作を遺した。これらの著作によって、作家・隆慶一郎を知っている人は多いことだろう。しかし、その作家・隆慶一郎が、シナリオライター・池田一朗として映画やテレビドラマの仕事で視聴者たちを楽しませてきたことを知る人は少ないのではないだろうか。本書は、著者が、故隆慶一郎(池田一朗)の弟子となって以来二十数余年、折りに触れて接した師の生きざま、人となりなどから学んだことを、関係者の証言や、師の遺された著作などを媒介として、分かりやすくまとめてみたものである。
目次
火の章 仕事について(男の仕事に年齢はない;還暦をすぎて小説に挑戦;シナリオライター時代は助走期間 ほか)
海の章 人となりについて(人となりを問われて;海を恋する;嵐の中に立つ ほか)
花の章 生きざまについて(眠らない人;不健康な健康法;馬力と行動力 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともとも
28
シナリオライター池田一郎、作家、隆慶一郎の弟子であった、 松岡せいじ氏が、隆氏との思い出や人柄を綴った1冊。 隆氏の小説は何度か読んだことがありますが、豪快で痛快で どこか優しい。 そんな文体が隆氏の人柄が表れていると感じてしまいました。 そのかっこうよさに憧れを抱きながらも、隆慶一郎氏の男としての 生き様、魅力が十二分につまった1冊で良かったです。 2016/02/21
くらーく
0
流れ星のように亡くなってしまった隆さん。格好良い戦国男を書かせたら、右に出るもの無しでした。60歳を過ぎて、やりたいことをやって、散っていく。。。格好つけすぎだよ。もう少し、作品を残して欲しかったねえ。2015/11/07
い
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どうも近い人が書くと…。時代劇シリーズとかでこの人の脚本回だと期待できた。最近新装版も置かれるようになってきたし、その時代も含めた評伝を読んでみたい。2024/06/29