内容説明
親にできる最後の仕事は、子や孫に自分の死に際を見せること。胃ろうなし、最小限の点滴、家族の手はその背をさする。―介護のあり方と死生観の転換を迫る、よりあい20年の看取りケアの実践。
目次
第1章 自然な老いの先にある死
第2章 最後に好物のプリンを食べる
第3章 ぼけは神様からのプレゼント
第4章 うれしかばってーが悲しかぁ
第5章 奪われた最期の時間
第6章 よみがえった夫婦の時間
第7章 家族とともに家で生き抜く
第8章 言葉を辿って―6人の生き様、死に様から
著者等紹介
下村恵美子[シモムラエミコ]
1952年福岡県生まれ。日本福祉大学社会福祉学部3年中退。仏教大学社会学部卒業。社会福祉士、介護支援専門員。デイサービスセンター、特別養護老人ホーム勤務の後、1991年11月、宅老所よりあいを開設。同、代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yuko
5
<親にできる最後の仕事は、子や孫に自分の死に際を見せること。介護のあり方と死生観の転換を迫る、宅老所よりあい20年の看取りケアの実践を紹介する。> 2011年 著者の下村恵美子さんと、『へろへろ』『ヨレヨレ』の著者、鹿子裕文さんを福岡からおよびしてトークイベントを開催するための準備として読了。「宅老所よりあい」で看取られた8人の最期。そして下村さんのお母様の最期の時間。家族にできること、介護者ができること、医療機関ができること、そして死にゆくものができること。心に刻んだ。ボケるまで忘れないでいたい。 2019/09/26
okatake
1
宅老所よりあいでの生活と死。生からの継続としての死は、その人や家族、近所の方々との間での関わり。死はそれだけを切り取って語ることができるものではないのです。ここでは「よりあい」で生活を共にした方々の生と死の物語が綴られています。時間は二度と取り戻せないのです。医者を始めとした医療の専門職が家族から奪ってきた死への時間をどうやって取りもどし、取り戻した時間をどう過ごしていくかが問われているような気がします。死や老いは避けられないものです。克服はできないのです。どう受け入れていくか、考えていきましょう。2016/12/11
cino
1
終末期医療について考えさせられる。自分の家族には延命をほどこさないお医者さんたち。2013/05/29
はるを
0
死ぬってどういうことなんだろうと、最近考えなければというか、自然と考えざるを得ないことが多くて。 ケアの先にある死をひしひしと考えさせられた。 医療職と介護職の違いが明確に出るのは、死を目前にしたときなのかなぁ。2023/11/20