九八歳の妊娠―宅老所よりあい物語

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784876721153
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C0036

出版社内容情報

日本の宅老所、グループホームの元祖としてその名を全国中に轟かせる「宅老所よりあい」の全貌。谷川俊太郎氏が入居予約をしているというこの施設を描いた、感動的ヒューマンドキュメンタリー。

詩・よりあいよりあい
プロローグ・都会に出現した「田舎」

原風景としてのぼけ
1章・タイムマシンに乗ってきた祖母
ぼけの世界との出会い
祖父の浮気相手になる
タイムマシンで今と昔を行ったり来たり
ぼけは神様のプレゼント
老人病棟で感じた医療の矛盾
資格は武器になるか
2章・老人ホームは女郎部屋だった
仕事の斡旋人
老人ホームは女郎部屋だった
ぼけの世界を一緒に楽しむ
折り合いをつけるということ
3章・「よりあい」スタート前夜
「宅老所」という名前の由来
「よりあい」のお手本
三好春樹氏のおっかけ時代

「よりあい」を育てたお年寄りたち
1章「よりあいの主」の生き様死に様
いたらんこったい!明治女の心意気
猜疑心との根気比べ
共同作業所づくりと伝照寺
奇蹟の湯布院旅行
九八歳の妊娠
2章・対立した家族との介護観
病院からの脱走
夜間の介護で疲れ切った息子
大切にしていることの違い
預けるのが嫌なら置いていって
家族との適正な距離とは
3章・ベッドからの口づけ
一緒に出歩く楽しみ
とっさのひと芝居
「よりあい」の暮らし
1章・一緒においしく食>小規模施設の落とし穴
ボランティアさんに支えられて
介護はプロの仕事である
地域に住んでいることが大切
制度は後からついてくる

対談・ぼけたら「よりあい」で暮らしたい
谷川俊太郎×下村恵美子
がんなら中国、死んだら鎌倉
男の介護と女の介護
老いの中のエロス
タブーが強い身内との接触
非人情の愛ということ
専門用語から見た問題行動
現場から生まれる言葉
ウンコ・シッコの哲学
人の本質を見抜くボケ老人
ぼけたらアナーキーな性の享楽を居場所と死に場所について

よりあいのうた・作詞?谷川俊太郎 作曲?谷川賢作

洋風より畳敷き、機械浴より檜風呂、専門性よりエロス。宅老所よりあいのケアは、日本の介護の新しいスタンダードだ。こんなケアが日本中にあれば老いも呆けも怖くない!(三好春樹談)

内容説明

洋風より畳敷き、機械浴より檜風呂、専門性よりエロス。宅老所よりあいのケアは、日本の介護の新しいスタンダードだ。こんなケアが日本中にあれば、老いも呆けも恐くない。

目次

プロローグ 都会に出現した「田舎」
1 原風景としてのぼけ
2 「よりあい」を育てたお年寄りたち
3 「よりあい」の暮らし
4 普通の暮らしの先にある“死”
エピローグ 現場の柔軟さとしなやかさ
対談 ぼけたら「よりあい」で暮らしたい(谷川俊太郎VS下村恵美子)

著者等紹介

下村恵美子[シモムラエミコ]
1952年生まれ。「宅老所よりあい」代表。社会福祉士、介護支援専門員。高校卒業後、8年間金融機関に働く。「祖母のぼけの世界」とつき合って、30歳のときに「人間相手の仕事がしたい」と福祉大学に入学。卒業後、デイサービスセンター、特別養護老人ホームで職員として働き、1991年11月より、宅老所に取り組む。現在は、通って(デイサービス)、泊まって(ショートステイ)、住むことのできる(グループホーム)宅老所2ヵ所を運営している。現在、全国宅老所・グループホームネットワーク世話人、福島県宅老所・小規模ホーム連絡会代表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タルシル📖ヨムノスキー

13
本来あるべき、我らが目指すべき〝介護〟がここにある!・・・かもしれない。一度施設にも行ってみたいな。勢いで読んでしまったが、あとでもう一度、今度は、ペンを片手に読もう。2018/03/12

Koji Takahashi

12
【折り合いをつける】 「折り合う」を大辞泉で調べると、『譲り合って解決すること』とある。 この書は「折り合うことの教科書」ではないだろうか。 認知症老人と介護職が「良い関係」であるために必要なことが「折り合うこと」なのだ。横文字をカッコよく使うと「win-win」なんてことになるのだろう。私は「折り合いをつける」「折り合う」の方が心地良い。 介護職のみならず「人間学」に興味がある人なら感じるものがあります。2019/05/22

タルシル📖ヨムノスキー

11
高齢者介護の世界でも〝自立支援〟という言葉を頻繁に聞くようになったけれど、まだ自分のことを自分でできる、いわゆる介護予防や、介護度が重くても、自分の意思を伝えられる人たちが対象なら、なんとなくイメージできるのだけど、日常生活のすべてに介助が必要で、意思の疎通が取れなくて、一日中ベッドで寝たきりで、関節もガチガチに硬くなっちゃってる高齢者の〝自立支援〟って、いったい何をすればいいんだろう?そんな疑問から再読。その人に〝寄り添う〟ということがキーワードなのかとなんとなくはわかったが、具体的には何を。2018/12/07

Yuko

9
タイトルにドキッとするが、谷川さんの命名とわかる。さすがキャッチ―。 著者の本では、「生と死をつなぐケア」と並び、介護についての理解が深まる良書。 最終章、下村さんと谷川さんの対談もとても良い。これが読めただけでも手に取って良かった~ 洋風より畳敷き、機械浴より檜風呂、専門性よりエロス。宅老所よりあいのケアは、日本の介護の新しいスタンダードだ。こんなケアが日本中にあれば老いも呆けも怖くない!(三好春樹談) 2019/11/15

貧家ピー

5
「宅老所よりあい」のスタート、出会ったお年寄りの数々、その暮らし・看取り。 とことん現場から出て来た話の積み重ねであり、寄り添いの記録でもある。 2016/07/15

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