内容説明
第一回手塚英孝賞受賞の小林多喜二論「『一九二八年三月十五日』から『地区の人々』へ」、野間宏、福永武彦の戦後の出発を論じた評論、若い世代の文学動向論、現代日本文学の作家・作品論など、乙部宗徳全業績のなかから厳選十四編を収録。
目次
「一九二八年三月十五日」から「地区の人々」へ
作家は戦後をどう出発したか―野間宏「暗い絵」について
作家は戦後をどう出発したか―福永武彦「塔」について
中野重治・佐多稲子の評価をめぐって―川西政明批判
在日朝鮮人文学が突きつけるもの―金石範、李恢成の作品に即して
それは励ましをあたえるものになりえたか―大江健三郎「燃え上がる緑の木」について
中上健次のたどった道
青年は自らをどう決定するか―田中康夫、三田誠広にそって
自己愛から社会的自己の決定へ―若い世代の作品にそって
笙野頼子の「文学世界」
母として人間として―佐藤貴美子の文学
そこに時代はどう映し出されたか―宮寺清一『雷鳴』への創造過程
積極的人間像の描出の追及―風見梢太郎『海岸隧道』の作品世界
たたかいの火を継ぐもの―田島一『湾の篝火』について
著者等紹介
乙部宗徳[オトベムネノリ]
1952年福岡県生まれ。日本民主主義文学会会員。「『一九二八年三月十五日』から『地区の人々』へ」で第一回手塚英孝賞を受賞
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