内容説明
「命の大切さ」を教えるとは?いま、「死」をリアルに見つめ、「死」からの隔離を解く実践を!関西学院中学部海洋冒険キャンプでの現地取材、鳥山敏子の先駆的な授業を受けた元生徒たちからの聞き取り調査、また大学での自らの実践を通して、生きものとしての人間と、「いのちの授業」のあり方を考える。
目次
序 子どもの生命観を揺さぶる「ニワトリを殺して食べる」授業
1 無人島で「ニワトリを殺して食べる」中学生たち―関西学院中学部 海洋冒険キャンプ同行記
2 「ニワトリを殺して食べる授業」の隠れたメッセージ―鳥山敏子『いのちに触れる』の元生徒の聞き取りから
3 大学で実践した「ニワトリを殺して食べる」授業
4 動物の死骸を描いた絵本―近藤薫美子『のにっき』をめぐって
著者等紹介
村井淳志[ムライアツシ]
1958年生まれ、名古屋市出身。東京都立大学人文学部卒業。都立大学助手などをへて、現在金沢大学教育学部助教授。歴史教育者協議会、教育科学研究会会員
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感想・レビュー
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Humbaba
3
普段意識しないままに食べている肉。しかし、肉は元々は動く動物を締めることで作られるものである。実際にその現場を見て、体験することで、初めて学ぶことができることもある。その場所における反応は周囲の人間に与える印象も考慮して現れる。しかし、内面ではそれ以上に様々なことを学び取っている。2013/06/08
m∧( 'Θ' )∧z
0
命の学習に重い軽いという表現が適切かは微妙だが、筆者自身の実践は他に比べて淡々と終わってしまった感じで物足りなかった。表題にはないが、後半は「のにっき」という絵本とそれに対する周囲の反応が書かれている。個人的にはこちらを一人の児童に読み聞かせる保育者とその児童が大変興味深かった。2016/05/15
Arick
0
鳥山敏子の実践について、それを受けた子どもたちが大人になったタイミングで、実践の意義を探るインタビューが大変興味深かった。ある実践を取り出して、教育の効果を、長期的なスパンで検証することはまれだからだ。 後半に書かれる村井自身の実践は消化不良の感がある。鳥山実践の子どもたちに「死」をつきつけるような凄味が取り払われてしまっているからだ。2015/05/14
まおこ
0
今年一番私に影響を与えた本。生と死についてしっかり娘に思いを伝えたい。2010/06/14