内容説明
唯物論と観念論の根本対立がついに和解され一つになった。存在論‐認識論の最深部に分け入り、“知覚の二重性”としての“主観‐客観”構造の謎に迫る。
目次
第1章 現代哲学の根本問題とはなにか―主客二元論の克服と物心一元論の確立
第2章 “主観‐客観”構造の哲学的分析(1)―物が「ある」と物が「見える」の関係について
第3章 “主観‐客観”構造の哲学的分析(2)―新しい“主観‐客観”モデルとはなにか
第4章 “主観‐客観”構造の哲学的分析(3)―物とはなにか
第5章 物心一元論の本質はなにか―哲学的感覚論および哲学の第一原理
第6章 知覚因果説の真の哲学的意味はなにか―物が「ある」(原因)と「見える」(結果)は同時的である
第7章 物心一元論と宇宙論の人間原理の哲学的考察
著者等紹介
瀬戸明[セトアキラ]
1937年生まれ。1967年東京教育大学(現筑波大学)大学院文学研究科博士課程修了(哲学専攻)。国立音楽大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハンギ
0
主にバークリの哲学をもとに、物心一元論を語り、観念論、唯物論を批判する。バークリによると「存在とは知覚されたもの」であり存在=知覚という図式は科学認識論的に強力なツールだと思う。存在とは目に見えない物ではなくて、何らかの方法で感性の裏付けを得られる物であり、経験的なものであるわけですね。物心一元論の現在の根拠を量子力学に求めているけどちょっとよくわからなかった。ただ科学をもとに哲学を根拠づける、という思想はいいけど、哲学(研究)者は単純に哲学やってれば良いのでは。あまり読みやすくはないかも。2013/08/09