内容説明
二つの世界大戦。その戦間期にあって文学活動を開始したケストナー。第二次大戦中は口を封じられながらも祖国に踏みとどまって歴史を凝視し続けたケストナー。戦後は核の現実にあって、人間の喪ってはならないものに目を向け続けた抵抗の作家ケストナー。21世紀初頭の混迷の時代を切り開くガイドとして、いまケストナーは不死鳥のごとく甦る。ケストナーに取り組んできた文学教育研究者集団がおくるケストナー文学の案内書。
目次
1 ケストナー語録(新しい時代の幕開けをめざして)
2 ケストナーとの対話(1)(座談会「飛ぶ教室」を語る―それにもかかわらず、飛ぶんだ!;「エーミールと探偵たち」―合い言葉はエーミール! ほか)
3 ケストナーとの対話(2)(座談会「動物会議」を語る―よくないことを、だらだら続けるな!;「わたしが子どもだったころ」―自伝的方法による人間的真実の追求 ほか)
4 ケストナーの作品紹介(「小さな男の子の旅」「おかあさんがふたり」―子どもの涙は大人の涙より重いことだって;「ファービアン」―あるモラリストの物語 ほか)
5 資料編