内容説明
横浜はかつて漆器の一大産地で、多くは「芝山象嵌」という装飾が施されていました。芝山象嵌とは、具や象牙、牛骨などを彫刻して花鳥や人物の形にしたものを、素地に立体的に嵌め込む技法です。2022年現在、横浜にいる芝山師は私ともう1人だけです。「最後の芝山師」と言われることもあります。そんな状況にある横浜芝山漆器の歴史や技法を、本書で知っていただけたら幸いです。そして、この技術を受け継いでくれる方が一人でも多く現れることを願っています。
目次
第1章 彫込師の家に生まれて
第2章 業界の復興と衰退の中で
第3章 原点への回帰
第4章 「最後の芝山師」
著者等紹介
宮〓輝生[ミヤザキテルオ]
1936年横浜市生まれ。52年同市立共進中学校卒業後、横浜芝山漆器職人の道に入る。78年より根付の制作を開始。92年第15回日本の象牙彫刻展で奨励賞受賞、96年第1期横浜マイスターに選定される。作品づくりのほか、92年中尊寺「螺鈿八角須弥壇」復元模造(文化庁)の螺鈿調製、97年寒川神社御帳台の螺鈿調製、99年中尊寺金色堂「巻柱」復元模造(宮城県立東北歴史博物館)の螺鈿調製など寺社関係の仕事も手掛ける。2010年横浜文化賞受賞、キンゼイ国際芸術財団よりゴールデン・ドラゴン賞受賞、19年神奈川文化賞受賞、22年地域文化功労者表彰受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 贈り物の心理学