出版社内容情報
人はなぜ贈り物をするのか? 日常生活の場面から神話や昔話の贈り物まで、さらには精神療
法の過程で交わされるプレゼントから「命の贈り物」と呼ばれる臓器移植ま で、人間社会のさ
まざまな局面で登場する贈り物の意味について幅広く考察を加え、 その背後に働く心の世界を
解き明かす。
第Ⅰ章 神話と昔話にみる贈り物
第Ⅱ章 精神分析にみる贈り物---フロイトと贈り物
第Ⅲ章 患者からの贈り物
第Ⅳ章 臓器移植---命の贈り物
第Ⅴ章 社会のなかの贈り物
第Ⅵ章 分離と秘密と贈り物
内容説明
日常生活の場面から神話や昔話の贈り物まで、さらには精神療法の過程で交わされるプレゼントから「命の贈り物」と呼ばれる臓器移植まで、人間社会のさまざまな局面で登場する贈り物の意味について幅広く考察を加え、その背後に働く心の世界を解き明かす。
目次
第1章 神話と昔話にみる贈り物
第2章 精神分析にみる贈り物―フロイトと贈り物
第3章 患者からの贈り物
第4章 臓器移植―命の贈り物
第5章 社会のなかの贈り物
第6章 分離と秘密と贈り物
著者等紹介
成田善弘[ナリタヨシヒロ]
1941年名古屋市に生まれる。1966年名古屋大学医学部卒業。社会保険中京病院精神科部長、椙山女学園大学教授などを経て現在、桜クリニック勤務
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
10
神話において,様々なケースで贈り物は用いられている.贈り物とは,ある世界から別の世界へ物を受け渡すことである.異なる世界の品物は,非常に高い価値を持つ.しかし,その価値が幸せにつながるかはまた別の問題である.2013/05/02
DNK
3
元精神科医の心理学教授が、贈り物にまつわる心の動きや社会的意義を考察する。読みたかった内容は5章,6章にまとまっていた。そこまではギリシャ神話や精神病患者の贈り物にまつわるエピソードを解釈しており、なんか違うと思いながら読んでいたが、最後まで読んでよかった。かなり幅広い文献や筆者の体験を盛り込んでいるが、意外に読みやすかった。贈り物には「義理」と「人情」の二つの基盤がある話が印象に残った。ところで、自分自身は返礼をサボりがちな癖がある。もう少しお土産やお返しについては考えてみようと思った。2023/11/01