ある明治女性の世界一周日記―日本初の海外団体旅行

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784876454501
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C0095

内容説明

母親からの厳しい「良妻賢母」教育と共に、東洋英和女学校でキリスト教と英語という新しい教育を受けた明治の女性、野村みち。豊かな感性と柔軟性で、真摯に、率直な心情を綴った旅行記。

目次

1 太平洋の巻(横浜出港;緑樹の布哇;再び太平洋上にて)
2 亜米利加の巻(金門港;モルモン教の本山;市俄高;フリーア氏の美術館;ナイアガラとボストン;米国の首都;名残惜しき紐育)
3 欧州の巻(霧の大西洋;英吉利 世界一の大都;仏蘭西 花の巴里;伊太利の懐古;堅実なる独逸)
4 露西亜の巻(半成の露都;西比利亜鉄道)
番外編 野村みちとは(野村みちとサムライ商会;世界一周会;旅行後のみち)

著者等紹介

野村みち[ノムラミチ]
明治8(1875)年8月生まれ。東京・麻布の東洋英和女学校に学ぶ。明治31(1898)年7月に横浜の実業家・野村洋三と結婚。明治39(1906)年、初めての海外旅行として中国へ。明治41(1908)年3月18日から96日間の世界一周ツアーに参加。大正15(1926)年から昭和17(1942)年まで横浜YWCA会長を務める。昭和29(1954)年「横浜文化賞」、翌30(1955)年「神奈川文化賞」をそれぞれ夫妻で受賞。昭和35(1960)年11月4日、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

47
今から110年以上前に、96日間の世界一周旅行が日本で催されていたことに驚きました。更に、その旅に幼い3児を持つ母でもある著者が一人で参加したことにも驚きました。この旅の過密なスケジュールも仰天ですし、みちさんの見識の高さ、広い視野、人怖じしない誇り高さ。文章力も分かり易くて感嘆です。当時のデトロイトが静かで落ち着いた都市で、アメリカでの住みたい街のNo・1だったこと、参加者全員がアメリカ大統領と謁見!等々、今ではあり得ない驚きに連続でした。2018/10/22

ばう

38
★★★★明治時代、日本初の96日間世界一周旅行に参加した横浜の野村みちさんの旅行記。その毎日の記録を克明に記した本書からはただ物見遊山をして楽しむのでは無く、行く先々の人々の生活、考え方、そして商いをする人らしく様々な商店の販売方法、商品などもしっかり観察し、そこから日本の進むべき道を考える冷静な判断力を持った当時としては実に稀有な女性の姿が見えてきます。そして未知の国で招待されるとたった一人でどこへでも出かけて行き交流する行動力と社交性。旅行記というよりも野村みちという女性に心を鷲掴みされた一冊でした。2019/06/23

まままま

5
96日間かけて、1906年に海外旅行をした野村みちの記録。タイタニックの沈没した年より6年前。第二次大戦をまだ知らない世界。著者の語る、世界を見た感想や率直な意見がとても興味深かった。人との関わりを大切にしているところも伝わり 印象的でした。2018/01/28

4
およそ100年前の女性が見聞きした話が、今でもなるほどと思えたりしてびっくり。著者の教養の高さにもびっくり。2012/04/15

カステイラ

3
とにかく女性が世界一周旅行に参加したこと、見聞きしたものに素直に感動しているだけでなく、さらに踏み込んで当時の明治日本の女性の立ち振舞いについてしっかりした意見を残していることに驚く。ところで著者の経歴を見ると、家事は完璧にできて英語が話せて商売上手、更に世界一周前に海外渡航経験ありという、ハイスペックな女性だったことがわかる。こんなハイスペック女性と同行した残り2名の女性参加者がどんな人だったか気になる。2018/11/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/308685
  • ご注意事項

最近チェックした商品