内容説明
算数・数学をまなぶことが楽しくなる…。江戸の人々を和算(数学)好きにさせた江戸の超ミリオンセラー『塵劫記』。この本のいま活用できる内容・問題を選び、現代との対比も加え解説。公式重視でない物語性に富んだ和算書から江戸人の知恵をまなぼう。
目次
第1章 大数と小数
第2章 かけ算と割り算
第3章 そろばん・算木・暗算
第4章 超ベストセラーとなった数学書
第5章 三角形の読み方
第6章 四角四面の世界
第7章 白い丸・黒い円
著者等紹介
西田知己[ニシダトモミ]
1962年鹿児島県に生まれる。1993年上智大学大学院文学研究科史学専攻・博士後期課程単位取得退学。現在、清泉女子大学ラファエラ・アカデミア講師、日本数学史学会運営委員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いきもの
5
図書館本。吉田光由によって書かれた江戸初期の算学ハウツー本「塵劫記」のそのユニークさを解説。それだけでなく現代との数学用語の違いとその理由。算額当初は抽象的概念が扱いが少なく具体例から考えるという、他国の数学の発展にも通じるものがあり興味深い。2023/11/23
Ikue
4
江戸時代のベストセラー『塵劫記』を紐解いた本。面白かった2014/09/19
清水勇
2
「塵:とても小さい数値」と「劫:極めて長い宇宙的な時間」を組み合わせた名前の、江戸初期に書かれた算数・数学をわかりやすく解き明かした本が「塵劫記」だが、明治になるまで多くの人々に読み継がれた。その本の成立ちと江戸時代の人たちの数に関する認識まで解き明かしてくれている。大きな数、小さな数から、掛け算(九九)から割り算(八算)、算盤、三角形他の図形、円周率、そしてルート計算まで、一般庶民が馴染みやすい事例を用いた説明で、実用書としても、学習書としても素晴らしい本を作り出した作者:吉田光由の凄さに感銘を受けた。2016/03/22
hazama
0
問題で使われている用語から時代性を拾い上げるところは面白かった。、ビジュアルの親しみやすさを特徴とするため、一般に浸透したものという論。2010/08/22
いえのぶ
0
江戸時代の大ヒット書籍の塵劫記について、ヒットした要因や関連する書籍、数学教育の状況などを優しく解説している。塵劫記は何度も改版を加え、著者の吉田光由が亡くなった後も同じタイトルで改版版が明治まで出版された。時代のニーズに合わせて改版されたことがロングセラーになった。実際の問題例はあまり記載がない。2019/05/10