目次
1 タフで骨太な民間シナ学研究家・後藤朝太郎(シナ服・シナ帽で市中を歩き回る男;少壮気鋭の言語学者・後藤朝太郎 ほか)
2 芥川龍之介を食傷させたシナ風物研究家・中野江漢(北京の風物狂・中野江漢;青雲の志を抱いて、シナに渡る ほか)
3 魯迅に嫌われたシナ民衆文化研究家・井上紅梅(シナ五大道楽の案内人・井上紅梅;謎の前半期からシナに渡るまで ほか)
4 芥川龍之介を驚嘆させた稀代の戯迷(京劇狂)・辻聴花(龍之介、その「怪声」に驚く;教育雑誌記者・辻聴花 ほか)
5 シナ怪異譚『聊斎志異』に魅せられた二人の聊斎癖・柴田天馬、平井雅尾(『聊斎志異』に魅せられた「聊斎癖」;「聊斎癖」以前の柴田天馬 ほか)
著者等紹介
相田洋[ソウダヒロシ]
1941年、中華民国張家口市生まれ。福岡教育大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
4
戦前のいわゆる「シナ通」6名プラスアルファの評伝。宮崎滔天や内山完造のような著名人ではなく、後藤朝太郎・井上紅梅のような、功成り名遂げたとは言いがたい微妙な有名人や無名人を取り上げる。こうして「シナ通」たちの活動を見てみると、中国や中国文化を特殊なもの、すなわち普遍的でないものと見ることが中国理解の妨げになっているように感じられてならない。2016/06/07
ふみ乃や文屋
0
後藤朝太郎のシナへの入れ混み具合は常人ではない。中国服を着て街なかを歩いたり電車に乗ったり。不当な扱いをされても我慢して貫き通した。この精神の強靭さは並大抵のものではない。2016/02/26