目次
総説 漢籍の時空と魅力
錯誤と漢籍
漢語仏典―その初期の成立状況をめぐって
使えない字―諱と漢籍
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
20
漢籍の面白さを伝える京大人文献のセミナーを書籍化したもの。漢籍の面白さについて、武田時昌は総説の中で、漢字の多義性、漢文の曖昧さによって多くの注釈書が生まれ、そこから多様な解釈が生まれることを指摘する。また、写本を作る過程で誤写も生じる。歴史学者にとってこれは悩ましいところであるが、避諱字(天子の諱を避ける)を調べて年代を鑑定するなど、謎解きのような面白さがあると指摘する(井波論文で詳説)また、日本や朝鮮、ベトナムなどで書かれた「準漢籍」にも触れ、漢籍の多様性と重層性を紹介する2022/06/20
hyena_no_papa
5
『漢籍はおもしろい』はおもしろい!分かりやすく語られていて、語彙は難しいけれど、漢籍への敷居の高さを余り感じさせない。冨谷至氏が「錯誤と漢籍」の中で、古田説を批判しているというので読むことにした次第。壹と臺の問題は既に前世紀中に大方の議論が尽くされており、中国学の大家がお出ましになることもないのでは?文字の異同の発生理由を草書体に求めているのは興味深い視点だとは思うが、実例としての書影を幾つか掲げてもらわねば説得力が得られないのではないか。「使えない字―諱と漢籍―」は深い。忌諱は漢籍に必須の知識の一つ。2021/06/07
Suzuki Koichiro
3
一般人向けのセミナーの講演録とのことだが、全くの素人が本書を全て理解できるかは疑問。内容的にはおもしろかったが。2013/08/12
ふみ乃や文屋
2
漢籍の基礎知識を得るのには良いと思います。実例に即した説明がなされるので、その「例」について知らないと、理解しづらい部分はあるでしょう。さらに、元が講演なので、取り上げられる情報が限定的。ただ、本書が興味・関心の幅を広げていくための階段となれば嬉しいと、もと中国学専攻の私は念じます。2017/08/11
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- 和書
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