出版社内容情報
“eye”“happy”“work”など、私たちの生活に密着した基本単語を使って、ネイティブ感覚の表現力が身につくフレーズ集です。単語が持つ表現の豊かさを再認識でき、私たちノン・ネイティブが知らないような生きた表現が満載です。
《はじめに》
英語学習者には、個人のニーズと欲求に応じて特定のコンテクスト(文脈)で必要な語彙を瞬時に文法的に配列したり、タイミングよく適切な決まり文句を発する運用能力が求められます。日々の努力を積み重ね習得が進み運用が楽にできるようになると自信がつき、英会話も弾み英語学習の過程そのものが楽しくなるでしょう。その境地に至るには、既習の語彙や話し方のパターンで事足りるのだと自己満足したり過信したりせずに、どんな高いレベルに達しても初心を忘れず自分の英語力を謙虚に見つめてみましょう。学校の授業があれば先生の指導に従う手がありますが、独習で英語をモノにしようと日々努力を続けている方には、より積極的かつ計画的な学習姿勢が求められます。
実際の英語の運用場面以外にも日頃から自主的に特定の文脈を想定しイメージを膨らませて、適切な語彙とフレーズのインプットとアウトプットの練習、さらに音読とシャドウイングを重ねましょう。
使える英語のボキャビルと知識の整理法として、第1に個々の語彙項目がどのコンテクストで使用されるかを考えるアプローチと、第2に場面別または観念・機能別に分けられた個々のコンテクストでどの語彙項目が使用されるかを考えるというまったく正反対のアプローチがあります。一般的に、語彙力が足りない初期の習得段階においては、第1のアプローチが重視されます。そして発話や作文のような発信技能の学習に力点が置かれる時期に徐々に第2のアプローチが取り入れられ、文脈ごとに既習の語彙が再構築されたりコンテクストごとにまとめたボキャビルをすることになります。英会話のフレーズ集は、総じて第2のアプローチに基づいた構成になっているものが多いですが、本書はこうした場面別または観念・機能別分類ではなく、第1のアプローチに基づいていると言えます。"head" "hair"など基本の中の基本の語句を10のカテゴリーに分類した210項目を厳選し、その単語または関連語を含むフレーズを3つずつ、合計で630項目紹介しています。
英会話に求められるボキャビルは、語彙の量だけでなく、質的な進歩も大切です。当然知っているという理由だけで流さずに、既習の基本語句の表現の豊かさを再評価していただき、読者のみなさまの発信語彙の質的向上を図り、より豊かでネイティブの英語に近い会話力にまで発展させていただければ幸いです。
最後に、本書の構成や掲載項目の細部について、株式会社語研編集部の奥村民夫さんおよび本堂もも子さんから貴重なご助言やご指摘を賜りました。この場を借りて改めて心より深くお礼を申し上げます。
北に一星あり 小なれど その輝光強し
国立大学法人小樽商科大学言語センター准教授 Shawn M. Clankie
国立大学法人小樽商科大学大学院ビジネススクール(OBS)准教授 小林敏彦