出版社内容情報
イギリスで暮らす中で出会うさまざまな場面やシチュエーションでのイギリス英語を素材に、リスニング・スキルをあげていくことを目的とした教材です。イギリス英語ならではの発音や語彙・表現の背景を前提に、場面ごとの聞き取り方をドリルでマスターしていきます。
はじめに
現在、日本で「英語」というと自動的にアメリカ英語を意味することが多いのですが、最近ではイギリスに対する関心が高まり、いろいろなイギリス関連の書籍が出版されています。本書は、初級レベル(TOEIC470-600レベル)の英語学習者を対象とした、たいへんわかりやすいイギリス英語のリスニング教材です。イギリス英語に興味を持ち、その中でも特にコミュニケーションの基本であるリスニングを勉強してみようかな、と考えている学習者向けの教材です。
本書の付属CDに収録されている会話やモノローグは典型的なイギリス人の発音です。アメリカ英語でずっと英語教育を受けてきた皆さんの耳にはイギリス英語の響きは新鮮である半面、難解に思えるかもしれません。そこで、本編に先立つ「イギリス英語の特徴」では、アメリカ英語との比較もできるように、アメリカ英語の発音も収録しました。
本書の特徴は、イギリス英語のリスニング能力を向上させるという目的のほかに、すべての会話で話されている情報が現地の生活に密着した内容であるということです。会話の内容はすべて筆者が実際に経験したことがらを基に、あるいは共同執筆者である Iain Davey 氏の協力のもとに作成したものです。また、随所に【TEA TIME】として、イギリスでの実生活に密着した豆知識を紹介しています。CDに収録した会話やモノローグも、効果音を駆使して臨場感あふれるものに仕上がっています。
なお、本書では「イギリス」と表記していますが、イギリスは正式には The United Kingdom と表記され、 England、Wales、Scotland、Northern Ireland の4つに分かれており、現在でも言語、通貨、文化、法律などで異なる面があります。本書でいう「イギリス」とは、正確には筆者が教育を受け、働き、居住していた England を指します。
最後に、本書の刊行に際しては、企画から編集、校正と文字どおりすべてをご担当いただき、貴重なご助言やご協力をいただいた(株)語研の奥村民夫氏に心から感謝の意を表します。
2004年 5月
上田眞理砂