内容説明
大正から昭和初期の、案内書や地図、絵はがきなどを探索。いざ、時空を超え、いにしえの都へ―“大京都”はいかにつくられた?
目次
第1章 大京都鳥瞰
第2章 春夏秋冬
第3章 京洛の楽しみ
第4章 交通と宿
第5章 御所と皇陵
第6章 近江と丹後
第7章 世界の京都
著者等紹介
橋爪紳也[ハシズメシンヤ]
1960年大阪市生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、京都大学大学院工学研究科修士課程、大阪大学大学院工学研究科博士課程修了。建築史・都市文化論専攻。工学博士。現在、大阪府立大学二十一世紀科学研究機構教授、大阪府立大学観光産業戦略研究所長、大阪市立大学都市研究プラザ特任教授、国際日本文化研究センター客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
55
「阪神間モダニズム」という概念を定着させた建築史家による、京都の観光事業近代化の様相を描いた本である。今次コロナ禍以前、そして緊急事態宣言終了後もウンザリする程観光客が訪れている。その努力と成果は昨日今日から始まった訳でなく、戦前から続いていた事を示す一書である。京都市は嵯峨や伏見、山科と合併した途端「大京都」「グレート京都」と宣伝しだし、琵琶湖水運を一手に握った京阪電鉄は「レイ子」と「ビワ夫」と言う謎キャラクターを作り、パンフに載せている。広報のテクニックは享受者が変わらぬ以上、ずっと似た物になる好例。2021/12/10
へくとぱすかる
53
何よりも芸術そのもののパノラマ鳥瞰図。商業デザインのパワーはすごい。京都に「大」をつけるなんて、と思っていたら、戦前はそういう扱いをしていたらしい。今は観光都市化がさらに進んでいる。美辞麗句を多用していたためだろうか、昔の旅行の方が魅力的に見えるが、娯楽の少ない時代、実際そうだったかもしれない。クルマに分乗しての修学旅行が戦前からあったのは驚き。2019/05/17
かおりんご
22
京都は1日にしてならず。世界的な観光地にするために、あれこれ手が打たれていたことを知りました。読み方としては正しくないですが、自分の住んでる場所を探したり、自分のルーツをちょっとたどりながら読みました。2019/12/25
わ!
6
橋爪伸也さんのコレクション自慢!(笑)…みたいなところもあるのですが、とにかく楽しいコレクションです。主な時代は大正〜昭和初期、京都の鉄道会社や宿泊・遊戯施設が出したパンフレットや小冊子などを紐解いて、この時代の京都を知ろうという趣旨の本です。この時代、京都も「大京都」と呼ばれていたのだそうです。大阪が「大大阪」と呼ばれていたのは有名でしたが、「大京都」の呼び名は初めて知りました。とにかくこの時代は関東大震災がありますから、東京の勢いがなくなってしまうために、他の都市が「大大阪」や「大京都」となる様です。2024/05/24
圓子
4
今季の「そうだ、京都行こう」に少し反発を感じていたのだけれど。(ライバルは、ちょっといないかなってのね)これを読んでたら、まー、仕方ないかあと。観光に対する意識高すぎ。同時代の別地域とも比べなければいけないけど、昔も今も観光ビジネスの先進地域であることは間違いないわねー。2016/02/15