内容説明
2000年から2009年まで、10年の空白を埋める10のコラムとカタログ。暴力と再生の10年を検証。「ゼロ年代アメリカ映画」の作品や作家を取り上げる。
目次
1999(ゼロ年代前夜)
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
著者等紹介
渡部幻[ワタベゲン]
映画批評・編集者。1970年東京都生まれ
佐野亨[サノトオル]
編集者・ライター。1982年東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たらお
17
2005年以降、観る映画が少なくなった。いや、好きな映画はあるのだ。でも、総じて観たい映画が減った。9.11、金融危機が映画界にも影を落としたような感じがする。知らなかった・・・ミラマックスなどの有名どころの会社も大作に手を出して、大コケしたらあっという間に潰れてしまうなんて。また、アメリカ映画会社全体が投資ファンド体制になったことで、オリジナル・シナリオは企画が通りにくくなり、反面コミック原作やリメイクが増えたことも、そう考えると全部腑に落ちる。町山智浩のアカデミー賞考もおもしろい。2016/09/18
mittsko
8
60年代から10年ごとに「米映画100」を切り出す5冊シリーズの最終巻。ボクは100本中91本観てたので、自分でびっくり。この時期の米映画をいかに好いているか、自覚できた。911以降「排他性が強まった」(1頁)米映画界、客数での苦戦が目立つようにもなったが、重要な作品を絶えず生み出してきた、と編者ら(渡部幻さん、佐野亨さん)はみる。同感。その全体を見通してやろうとする本書(を含むシリーズ全体)は、多方面にとって非常に重要な仕事になっていると思う。原稿を寄せた面子11人も実に豪華で、信頼に足る。ぜひお手に!2018/10/04
nizimasu
5
ゼロ年代の映画ってあんまり意識してみていないのだけれど、意外にクリントイーストウッドの作品いっぱい見てたり、巻末の中原昌也さんと芝山さんの飲み屋話のようなスコセッシはやっぱりイマイチだったよねとか納得しつつ、意外に佳作が多そうなのでチェックしたくなる作品多数。町山さんのアカデミー賞を通しての、ゼロ年代映画の概説はなかなか読み応えがありました2014/07/20
varietasdelect
5
これを読んで、私は「ゼロ年代のアメリカ映画」というジャンルがすごく好きなんだと自覚しました。ゼロ年代は、善くも悪くもアメリカから発信される声に世界中が極度に敏感な時代でした。そのような関心を重く受け止め、真摯にボールを投げようとするひとたちがアメリカの映画界にちゃんといたことが日本の映画館でも感じられました。日本未公開映画についての添野知生氏のコラムで「パニック・フライト」がゼロ年代の傑作として挙げられているのに快哉。あと、巻末のDVD紹介で廃盤の多さにびっくりしました。2011/02/12
garth
5
今野雄二氏の遺稿のタイトルが「亡き巨匠たちのためのレクイエム」。ちょっとぞくっとした。添野の未公開映画コラムがたいへん勉強になります。2010/12/20