内容説明
一九八〇年代、幻の繁栄に沸く日本列島。海峡を隔てた地では、無辜の市民たちが闘いのなかに命を散らしていた。青年は自らを流謫し、世界を覆す「物語」を夢想する。絶対の孤独の底で彼を支えるのは、一脚の「椅子」―。それは「芸術」の究極点なのか。
著者等紹介
山口泉[ヤマグチイズミ]
1955年長野県生まれ。1977年、「夜よ 天使を受胎せよ」で第十三回太宰治賞優秀賞受賞。1989年、「宇宙のみなもとの滝」で第一回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
客野
1
とてもとても面白かった2017/09/04
勉誠出版営業部
0
山口泉さんの『アルベルト・ジャコメッティの椅子』を読了。先に読んだ『オーロラ交響曲の冬』と打って変わって、トゲトゲしい文章に戸惑いを覚える。美術作品への傾倒が伺える評論的な箇所もありつつ、作中の小説家志望の主人公の社会への苛立ちを強く感じる作品。2013/06/25
ごまにゃん
0
アルベルト・ジャコメッティの版画のタイトルを持ちながら、厚塗りしすぎた油絵のような修飾過多な文体が特徴。舞台は1980年台。今でこそインターネットで散見される、社会構造の全てを知ったかのような諦観気取りの藝術大学生が主人公で、取り巻く人物はメンヘラ女や女性経験至上主義の男といった、現在では記号化された存在も登場します。釜林事件の活動家たち発言に傾倒したりと一風変わった味付けがされていますが、大筋はしょうもない誇大妄想狂の主人公を追っているので最後まで退屈でした。2019/03/13
レイコ
0
色んな意味でヤバい小説。色んな意味で過剰。読んでてキツかった。2018/09/25
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