感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たこらった
2
闇が明るく灯が暗いネガポジ反転の舞台。店主のおすすめは今回も面白かった。ロンドンはやっぱり国際都市である。それゆえに、なのか、それなのに、なのか、ドイツ訛りの違いを聞き分ける感受性なぞ原住民は持ち合わせちゃいない。亡命ユダヤ人のインテリ電気会社職員と美術品収集家で難聴の億万長者のドイツ人の両方に同じようなことを言わせて笑わせる。配電盤のある地下へと追いやられるアインシュタインの父親めいたヒューズ交換要員に対する階級意識からだけではない英国人の冷たさが黒い。王室からしてドイツだものなあ。元カノの活躍が痛快。2024/08/06
nightowl
2
彫刻家が自分の作品を大富豪に買ってもらうチャンス。そして婚約者の父親に会うことも同時に予定しており、全てが上手くいくはずだった。アパート全体が停電になるまでは...前の彼女も現れ大混乱!/明かりが煌々と輝いている状況=実際は停電として演じなければいけない大変さ。そして喜劇ではよくある動きの指定も細かくかなり体力が要る作品。二股をよく採り上げるものの大半が嘘の積み重ねで持たせるレイ・クーニーよりかなりうわて。シェーファーの中では軽めなのに安定した出来。最後のオチもまさしくブラック。2021/08/08
takeakisky
0
なんとも奇妙な舞台。明かりが点くと暗くなり、暗いときには明るくなる。シュールで馬鹿馬鹿しい。これを説得力あるアクロバティックな舞台にするには大分稽古が要りそうだ。明るいのに見えていない。暗いのに見えている。演技者に求められる人間性を無視する要件。それらが巧妙になされていることをイメージしながら読むと、そつのない手堅いコメディが浮かび上がる。よく演じられれば、夢中の時間が楽しめそうだ。2024/08/30