感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takeakisky
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バーセット完結後のトロロープは人気凋落だったそうだが、死後出版されたこの本はロンドンでベストセラーになったと。前半生の悲痛。美しくない、賢くない、お金もない、家族は死んでいくし、評価もされない。中盤以降、溢れる自信と余裕。トロロープ自身が勧善懲悪的、調和的、ある意味、迎合的な自作を意識し、それを、強く推し進める意思を持っていたことが度々述べられる。作品裏話。執筆論。批評家には手厳しい箇所が沢山。嫌がった彼らの気分も分かる。巻尾のリストは死後公表のつもりでいてもなかなか出せるものじゃない。若干の居心地悪さ。2025/08/09