目次
アメリカの文化戦争からホワイトネス研究へ―近代の闇
トニ・モリスン『ビラヴド』―所有する「者」とされる「物」
アーネスト・ヘミングウェイの『エデンの園』における「白さ」の問題―キャサリン・ボーンの人種に関する強迫観念とヘミングウェイの「白さ」への不安
ダーク・ラヴァー、ホワイト・ガール―『夜はやさし』における人種と性
アメリカの中のイタリアが生み出す悲劇―『橋からの眺め』における白さと男らしさのゆらぎ
人種認識の経由地としての南部―ジェイムズ・ボールドウィンの『もう一つの国』
経験がものを言う―フランシス・E.W.ハーパーの『アイオラ・リロイ』とプラグマティズム
白から赤へ―マーク・トウェインとアメリカ・インディアン
著者等紹介
安河内英光[ヤスコウチヒデミツ]
西南学院大学名誉教授。九州大学大学院修士課程修了、ハーヴァード大学客員研究員(1981‐82,1994‐95)
田部井孝次[タベイコウジ]
西南学院大学名誉教授。東洋大学大学院博士後期課程満期退学。カリフォルニア大学バークレー校客員研究員(1993‐94)。スタンフォード大学客員研究員(2006‐07)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中峰和
1
80年代から90年代のアメリカにおいてホワイトネス研究が盛んになった。白さの意味への批判的注目は、レイシズム批判から出てきた。この時期、ピークを迎える文化戦争において、西洋白人の植民地形成からはじまり、過去500年にわたる所業が政治、経済、宗教文化などのすべての領域におよぶトータルな問題として批判的に検討され、その焦点化としてホワイトネスとは何かというテーマの研究がなされてきたのである。アーネスト・ヘミングウェイの「エデンの園」における白さの問題は、人種に関する強迫観念と作者の白さへの不安を描いていた。2017/01/13
-
- 和書
- 菊池幽芳全集 〈第9巻〉