内容説明
「木そのものは燃える」が、「知覚された木」は燃えるか?フッサール現象学と真正面から対決し、独自の思想形成へと歩み始めた最初期アドルノの学位論文を訳出。
目次
フッサール現象学における物的ノエマ的なものの超越(問題 フッサールの物の理論における矛盾;フッサール現象学における物的ノエマ的なものの超越;総括的結論)
学位論文要旨
著者等紹介
アドルノ,テオドール・W.[アドルノ,テオドールW.][Adorno,Theodor Wiesengrund]
1903~1969。ドイツのフランクフルト・アン・マインに生まれ、フランクフルト大学で哲学、社会学、音楽学などを専攻した。ナチス政権時代には亡命を余儀なくされたが、戦後帰国し、フランクフルト大学哲学・社会学教授に就任、フランクフルト学派の中心人物として多方面にわたって活躍した
服部健二[ハットリケンジ]
1946年生まれ。立命館大学教授
青柳雅文[アオヤギマサフミ]
1974年生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。西洋哲学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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K
10
図書館本。タイトルに惹かれて読んだ。アドルノは、本書において、フッサール現象学における矛盾、つまり内在主義と、対象の超越性を(部分的に、曖昧な形で、ノエマとして)認めている立場の矛盾を指摘し、新たな展開の可能性を見出している。内在的な超越をどうこうするのではなく、経験連関の法則から、直接は内在されえない存在を見出そうとしている。フッサール現象学の根本的な問題点については、彼に続く現象学が引き継いでいる課題(サルトルの課題でもある)だと思うが、本書における批判も興味があり、難解だったが、なるほどと思った。2023/08/15
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- 和書
- 農務彙纂 16