内容説明
世界で唯一最高のフォイエルバッハ哲学研究者である著者が、ヘーゲル研究の蘊蓄を傾けて築きあげた独自な哲学体系―これが「唯物論的人間学」であって、彼の哲学研究の精髄をなす。身体を有った主体と客体との存在論的弁証法を実践論とみなし、これを基礎にしてヘーゲル精神現象学を越えつつ、ヘーゲル体系とは逆の構成をもつ「人間学―現実学―論理学」として自己の哲学体系を開いた白眉の書。「身体と精神」の哲学を基軸にすえる。
目次
序説 人間学的唯物論への道―観念論および客観主義的唯物論に抗して
第1部 人間学的唯物論の立場(現象学から人間学へ;超越主義;有限者の実在論―人間主義=自然主義 ほか)
第2部 人間学的唯物論の体系(「学」としての哲学とそれの体系;人間学的実践論;人間学的認識論 ほか)