内容説明
アメリカ最高の女流詩人、エミリィ・ディキンスンの初めての写真集。エミリィの家族や友人たちの肖像、そして彼女が育った19世紀のアマーストが、写真、さし絵、地図などによって鮮かによみがえる。詩神の生涯を余すことなく伝えている写真集の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
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19世紀を代表するばかりではなく、アメリカ文学史上最高の令名を博する女性詩人エミリィ・ディキンスン。タイトルから、この人は写真家でもあったのかと思って本書を入手したところ、そうではなく彼女とその周縁の人々、そして彼女に所縁の地や建造物等の写真集であった。ここにあるのはアマーストやマウント・ホリヨーク、そしてイェイルといったマサチューセッツでも有数の豊かさと教養を誇る環境である。しかも、いずれの肖像写真からもそうしたアメリカ教養主義の香りが立ち昇って来る。肝腎のエミリィだが、いささか想像とは違っていたか。2021/11/28