内容説明
キャロル、キングズレー、オルコット、マグドナルド、バリーなど、英米児童文学の黄金時代を形づくった作家と作品が抱える諸問題を分析し、それらが今日までの児童文学に与えている現象を平易に解説する。
目次
第1章 未だ終わっていない破壊(牧師ロト、冷水浴をとる―チャールズ・キングズレーと『水の子』;『アリス』と神にたいする嘲笑;ジョージ・マクドナルドと優しい祖母;ルイーザ・オルコットと幸せな家族)
第2部 アルカディアの人びと(開拓者、ベヴィス;ケネス・グレーアムとアルカディアの探求;E.ネズビット―見せかけのヴィクトリア朝人;ビアトリクス・ポター―アルカディアの皮肉屋;『たのしい川べ』;J.M.バリーと『ピーター・パン』;A.A.ミルンと『クマのプーさん』―魔法の場所よ、さらば;エピローグ―花園再訪)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しろもち
2
英米の児童文学を気づいた著者の、背景を、作品と共に追っています。 ピーター・パンが好きで、その章を読みました。 著者の言葉で、 ものかきというのは、自分がお手本をもらう人間なら、どのような人間であれ嫌うわけにはいかない とありました。なにを犠牲にして、作品を作ったといったら、自分を犠牲にしてたのじゃないかと、この一言で思うわけです。。2012/01/08
たこくらげ
0
ようやく読了。 著者はトールキンの或る伝記の人と同じです。主に1800年代中期から1930年代の著名な児童文学作家についての研究書。 日本でもおなじみの不思議の国のアリスやピーター・パンの作者達も登場します。彼らの作品と人となりについてかなり詳しく、時代の流れを追って書かれているので英国児童書フリークにおすすめ。 かなり長い上にあくまで研究書なので硬い感じですが、これ一冊読めばイギリスの児童文学史のおおよそが理解できます。2015/01/24