内容説明
空母を持たないドイツ海軍唯一の戦力〈灰色狼〉たちを率い、二つの大海軍と戦ったデーニッツ。その、Uボート艦隊創設から終焉に至る波瀾の10年と、ヒトラーに代わってドイツ終末の任を担い、東方の難民将兵200万を救った激動の20日間!
目次
新しい任務
集団戦術
1935―39年の潜水艦建造計画
戦争勃発までの重大時期
潜水艦戦初期
ノルウェー出撃と魚雷危機
大西洋戦第1期~第6期
潜水艦部隊の組織
1941年12月11日以前のアメリカの対独戦
ラコニア号事件
潜水艦兵装の改善
海軍総司令官に任命
海軍総司令官としての私の任務
1944年7月20日事件
1943年5月から終戦までの潜水艦戦
国家元首
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
第二次大戦時、ドイツ海軍の潜水艦艦隊司令や海軍総司令長官を歴任した海軍軍人の回想録。「10年」とはその海軍時代の事で、「20日間」はヒトラー死後に後継者として就任した大統領時代の事だ。海軍時代は一貫して潜水艦部隊の有効性を説き、その任務は通商破壊戦にあると説いた。確かに、デーニッツの論旨は明快でブレがないが、何分ドイツ海軍は第三帝国内で政治的地位が低かった事もあり、ドイツの海軍戦略はUボートを無駄に浪費していたのだという。大戦末期、ソ連から軍民を救うために降伏を遅延させようとした敗戦処理の模様も生々しい2016/07/09
Tatsu
0
ドイツUボート隊司令官にして最後のドイツ第三帝国大統領のカール・デーニッツの回想録です。デーニッツは第一次大戦のころからの古い潜水艦乗りで、第二次大戦勃発時にはUボート部隊の司令官でした。彼の統一指揮により、通商破壊戦に徹したドイツUボート部隊は大戦前半には大英帝国の動脈を停止寸前にまで追い込んだのです。敗戦後のニュルンベルグ裁判における彼の最終弁論は最後の見せ所!誇り高き軍人の真髄が表現されています。