内容説明
明治の日本に魅せられ、最も日本を愛しつづけたお雇い外国人。エドワード・S.モースは、来日直後の大森貝塚発見をはじめ、進化論の紹介、博物館の整備、陶器の研究、動物学・考古学の端緒を開くなど、当時の学術文化に広範な足跡を残している。また、その鋭い観察力と豊かな人間性、科学精神で、さまざまな日本を発見し、発掘し、世界に紹介した。この偉大なナチュラリスト、モースの全体像を見つめ直す。
目次
博物学者モースの脳、博物標本に
モースの人間像(モースの生い立ちと環境;動物学者への道をあゆむ)
1877年、モースの来日(腕足類を求めて日本へ;東京大学初代動物学教授に任命;日本最初の臨海実験所・江ノ島)
大森貝塚の発見と調査
大森貝塚の出土品と博物館
わが国最初の学術調査報告書
発掘にかかわった人たち(発掘の最大の功労者佐々木忠次郎;若くして他界した松浦佐用彦;江ノ島でモースと採集した松村任三;『種の起源』を読んでいた種田織三;初代植物学教授・矢田部良吉)
進化論の普及とキリスト教
日本の陶器に魅せられて(蜷川式胤に師事する;陶器収集への旅)
謎に包まれている大森貝塚(品川区内にある「大森貝塚」の碑;大田区内にある「大森貝墟」の塚)
現代日本への寄与