内容説明
人類は、はるか昔から微生物と深い関わりを持っており、われわれは微生物と共に進化してきた存在である。にも関わらず、一般的には微生物といえばネガティブなイメージの方が多いそうだ。確かに微生物は食品を腐敗させたり、感染症を引き起こしたりと厄介な一面もある。しかし、微生物の力を借りた食品は世界中のあらゆる文化圏で広く食されており、食卓には欠かせない。また、人間は腸内で多様な細菌と共生関係を築いており、腸内細菌との良好な関係は健康の維持、増進に必要不可欠な要素である。さらには、画期的な薬の誕生に関係するケースも多くあり、微生物はまさに宝の山といえるだろう。本書は微生物にかかわる、目からウロコの話を盛り込んだ著者の学者人生の集大成であり、読めば昨日までとはものの見方が大きく違っているであろう。
目次
生命の誕生
人類、微生物と出逢う
細菌学の発展
感染症と抗生物質
薬剤耐性菌の脅威
ウイルスの脅威と驚異
伝統的発酵技術
発酵乳と乳酸菌
菌類の生物学
腸内細菌叢
サイレントキラー
現代病の特徴
植物乳酸菌で健康長寿社会の実現に挑む
著者等紹介
杉山政則[スギヤママサノリ]
1974年広島大学工学部卒(醗酵工学科)。2016年4月1日広島大学大学院医系科学研究科未病・予防医学共同研究講座・教授および広島大学名誉教授。文部科学大臣表彰「科学技術賞」受賞(2回)、中国文化賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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