内容説明
立ちはだかる新型コロナウイルス―そのさなかにあえて我々生命体と微生物との共生進化の姿を探る。それは我々の自然観に劇的な変容をもたらす最新の進化論である。
目次
第1章 微生物に満ちあふれる地球
第2章 生命進化最初の30億年―単細胞微生物の時代
第3章 動物と微生物の関わり
第4章 腸内細菌叢
第5章 「脳‐腸‐微生物叢」相関
第6章 腸内微生物叢と免疫系の働き
第7章 共生微生物と宿主のせめぎ合い
第8章 生物が陸上に進出するにあたって共生が果たした役割
第9章 反芻動物と共生微生物
第10章 昆虫の共生微生物
第11章 発酵食の歴史
著者等紹介
長谷川政美[ハセガワマサミ]
1944年、新潟県生まれ。1966年東北大学理学部物理学科卒業、70年名古屋大学大学院理学研究科博士課程中退。同年、東京大学理学部助手。統計数理研究所研究員を経て同研究所助教授、教授、総合研究大学院大学教授(併任)、東京大学大学院教授(併任)。その後、復旦大学(上海)教授を経て、統計数理研究所名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。理学博士(東京大学)。ライフワークとして進化生物学を研究してきた。受賞:1993年、日本科学読物賞。99年、日本遺伝学会木原賞。2003年、日本統計学会賞。05年、日本進化学会賞・木村資生記念学術賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
17
今年度ベスト3の一画を占めることは確定!! どこをどう読んでも面白いんだけど、ほんの一部を引用:"イギリスのヘレン・ビアトリクス・ポターは、1890年代にはロンドンのキュー王立植物園で地衣類の研究を行なっていた。彼女は地衣類が一種類の生き物ではなく、 真菌と藻類という異なる生き物の共生体だということに気がついたのである。 しかし、 そのような考えは当時の学界では受け入れられず、 学界から締め出された彼女は絵本作家としての道を歩むようになった"〜「ピーターラビット」の著者です→ ポター 2020/08/17
りんこ
0
ちょうど夏ごろに土壌微生物叢について調べていたので、共生微生物にも興味があって読んでみました。 時事ネタのコロナに関する記述もあり。 先月は進化とともにDNAも変化しているという本を読んだが、今月は進化とともに共生微生物が変化するとの本書を読み、改めて、進化というのは見た目の物理的変化だけではなく、構成する様々な化学物質の変化によって起こるものなんだなと思う。 ミクロな視点で見れば、今晩の食事が孫に影響するのか。と。腸内環境を整えておかねば。夕食は鍋だったけど、納豆も追加で食べておきました。2020/10/11